AI なのに、俺の声だ。SunoAI Persona 機能で1年戦って分かったこと
この「凄い奴見つけた!」は、ほぼ俺の声。
戦慄した瞬間
SunoAI を使い始めて、何曲か作った頃。
Persona 機能というものに気づいて、いろいろ試してみた。最初は適当に作って、しっくり来ない日が続いた。AI が出してくる声は確かに上手い。でも、自分が歌ってる感じがしない。
これじゃダメだと思って、YouTube で他のユーザーの解説動画を漁りまくった。Persona の作り方、素材の渡し方、設定の細かい違い。学んで、試して、また学んで。
そして、ある日。
スピーカーから、自分の声が出てきた。
正確には「ほぼ自分の声」。でも、20年前にバンドのボーカルとして歌ってた頃の自分が、AI の中から戻ってきた感覚だった。
戦慄が走った。
「これで、本当のソロプロジェクトになる」と確信した瞬間だった。
Persona 機能とは何か
簡単に言うと、SunoAI の機能のひとつで、自分の声(または好きな声)をモデル化して使い回せる機能。
普通に Suno で曲を作ると、毎回違うボーカルが出てくる。でも Persona を作っておくと、その声をベースに何曲も作れる。同じ歌い手が複数の曲を歌ってる、ようなアルバムが作れる。
詳しい使い方は公式やほかの解説サイトに譲る。ここでは1年使ってみた経験だけ書く。
自分のスタンスを確立するまで
最初の頃は、正直、適当だった。
「自分の声を入れたら自分の声で歌ってくれるんでしょ」と思っていた。
それが甘かった。
入れた声と出てくる声が、全然違う。性別が変わる、年齢が変わる、トーンが変わる。「あれ、これ誰?」となる日々。
YouTube で他のユーザーの工夫を見て、素材の渡し方が大事と気づいた。何を入れるか、どんな状態で入れるか、どれくらいの長さか。条件を揃えて何回もテストして、ようやく「これだ」という設定を見つけた。
ほぼ理想の声が出てきたのは、確か10回目くらいの試行だったと思う。
Persona に渡す素材
俺は基本、歌の素材を渡す。喋りじゃない。
理由はシンプルで、Suno は歌わせるための AI だから、歌のサンプルから学習させる方が精度が出る。
パターンは2つ。
パターン1:ある程度作った曲を読み込ませて、新曲生成
過去に Suno で生成して気に入った曲の音源を、そのまま Persona の素材にする。これで、その曲のボーカルの方向性を引き継いで新曲が作れる。手早く、似た系統の曲を量産できる。
パターン2:自分で歌った声を入れる(本気の曲)
これが本気バージョン。スマホやマイクで自分の歌声を録音して、それを Persona の素材にする。Suno がその声に合わせてメロディを構成する。実際に作成依頼が来た曲は、このパターンで作ってる(依頼料は雀の涙だけど、依頼が来るという事実は嬉しい)。
このパターン2 が、本物の「ソロプロジェクト」感を出す。
1年使って感じた、AI の限界と魅力
正直に書くと、Suno は上手すぎる。
俺が普段歌ってる声より、Persona から出てくる声の方が音程が安定してたり、ロングトーンが綺麗だったりする。AI の補正能力は本物。
「俺はこんなに上手くないよ」と笑いながらモニターを聞く瞬間が、よくある。
ただ、限界もある。
曲が最高なのに、声が別人になる。
これが一番つらい。Suno が生成したメロディが完璧で「絶対これ使いたい!」と思っても、出てきたボーカルが自分のイメージと違う。何回再生成してもうまく合わない。
そういう時は、諦めずに何度も生成し直す。設定を変える、別の素材を投入する、Persona ごと作り直すこともある。
この調整が一番しんどい。でも、ここで諦めると曲が完成しない。
代表曲:「凄い奴見つけた!」
この記事を書くにあたって、Persona 機能を象徴する曲を1曲だけ選ぶなら、これ。
「凄い奴見つけた!」
初期に作った曲で、俺の声がそのまま乗ってる。Persona の素材を真剣に作って、調整を重ねて生まれた1曲。
歌詞の冒頭はこう。
教室の真ん中で いつも誰かが笑ってる その中心にいる君は 無理してる様子もなくてさ
舞台は学校の教室、登場するのは同級生。
でも、本当は会社で出会った仕事仲間がモチーフ。
ちょっと厳しめの人だった。でも、考え方がすごくて、感心することがいっぱいあった。「こんな考え方できる人がいるんだな」と思って、思わず曲にしたくなった。
ただ、職場の話をそのまま歌詞にすると、面白くない。だから舞台を学校に置き換えた。「すごい同級生を見つけた中学生・高校生」のシナリオに変換した。
これが、illusion の作り方の典型例。実体験から生まれるけど、シナリオは抽象化する。
サビはこう続く。
すごいやつ見つけた! こんな近くにいたなんて 背伸びじゃ届かないけど いつか横に立ちたいんだ 完璧じゃないのが、またいい 少しだけ、勇気もらえた
「あの仕事仲間に俺もいつか追いつきたい」という気持ちを、子どもの目線に置き換えて書いた。大人のままだと照れくさくて書けないことも、子どもの視点なら書ける。
これも illusion のテクニック。
Persona をうまく使うための実践 Tips
1年戦って学んだことを、これから始める人向けに簡潔にまとめる。
Tip 1:素材は歌、できれば自分の歌
喋りや雑音より、歌の素材の方が圧倒的に Suno との相性が良い。スマホ録音でも問題ない、ただし無音状態の場所で録ること。
Tip 2:最初の Persona は捨てる前提で作る
1回目で完璧な Persona は出ない。3〜5回試行錯誤する覚悟で取り組むと、ストレス少なく進む。
Tip 3:曲が最高なのに声が違うとき、諦めない
何度も再生成すると、奇跡的に合う1本が出てくる。または Persona を作り直す。曲を捨てる選択は最後の最後にする。
Tip 4:上手すぎても気にしない
「これ俺じゃないでしょ」って瞬間は山ほどある。でも、それは AI が補正してくれてるだけで、声の核は自分のもの。AI に頼ることに罪悪感を持たなくていい。
Tip 5:生成は、思ってる3倍やる
Persona 設定がうまくいっても、1曲につき5〜10回生成するつもりで挑む。粘り強さが品質を決める。
まとめ
AI で曲を作るって、最初は「機械に作らせるんでしょ」と思われがち。でも、Persona 機能を本気で使うと、**「俺がいないと作れない曲」**ができる。
声は自分のもの。歌詞は自分の経験から生まれる。AI は、それを音楽にする道具。
20年前、バンドが解散して音楽から離れた。でも、Suno と Persona があれば、一人でも歌が作れる時代が来た。
「凄い奴見つけた!」の中で歌ってるのは、過去の自分が憧れた誰かじゃなくて、今の自分が憧れた仕事仲間だ。それを子どもの視点で歌えるのは、AI と Persona のおかげ。
今夜も、配達の合間に1曲作る。
この記事は illusion-yuki.com の音楽カテゴリ2本目。
1本目「20年ぶり、illusion を一人で復活させた。63曲、1年の記録」もよかったら。
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