illusion_yuki が AI と対話するイメージ画像

20年ぶり、illusion を一人で復活させた。63曲、1年の記録


配達の合間に、曲を作っている


まずは結論から

40代、関東某所で会社員。本業はインフラエンジニアを20年やってる。

朝は副業、昼は会社、夕夜はバイクで Uber 配達。深夜に AI で曲を作ってる。

去年の5月から始めて、1年で63曲。SoundOn 経由で Spotify、Apple Music、YouTube Music、Amazon Music…26 のプラットフォームに配信した。

合計再生回数は約4,000回ちょっと。収益は500円くらい。

「で、それのどこが面白いの?」

俺もそう思う。だから書く。


20年前、バンドをやってた

高校生の頃から大学を卒業するまで、バンドをやってた。

ボーカル担当。バンド名は illusion

ジャンルはヴィジュアル系ロック、LUNA SEA や GLAY のコピーが中心。当時の俺たちにとって、河村隆一の声と GLAY の TAKURO の曲は神様みたいなもんだった。

ライブハウスに出たり、文化祭でやったり、まあ学生バンドにありがちな活動。

大学卒業のタイミングで、自然消滅した。誰かが悪いわけじゃない。みんな就職して、引っ越して、付き合ってる人と結婚して、生活が変わっていった。

「いつかまた集まろう」って言ったまま、20年経った。


20年のブランク

その間に俺も、結婚して子供が生まれた。インフラエンジニアの仕事は20年続けた。家のローン組んで、休日に娘を公園に連れていって、平日は深夜まで働いて、たまに居酒屋で同期と愚痴って。

そういう生活が普通になっていた。

音楽?嫌いになったわけじゃない。ただ、人生から音が消えていた。

カラオケに行っても、昔バンドでやってた曲を歌うのは少し恥ずかしくなった。「あの頃の自分」と「今の自分」がうまく繋がらなくて、自分でも何を歌っていいかわからなくなっていた。

スマホで音楽は聴く。気に入った曲を保存する。でもそれだけ。作る側に戻ることなんて、人生にもう二度とないと思っていた。


SunoAI と出会った日

きっかけは両学長の動画だった。

「AIで曲が作れる時代が来た」と紹介していた。SunoAI というサービス。歌詞を入れるだけで歌付きの曲が生成されるらしい。

最初は半信半疑だった。「AI で作った曲なんて、どうせ薄っぺらいんでしょ」と思ってた。

でも、試した。

歌詞を打ち込んで、ジャンル指定して、生成ボタンを押した。

…数十秒後、画面から、歌が流れてきた。

ちゃんと、歌だった。メロディがあって、ボーカルがあって、ドラムが鳴ってて、ギターが入ってる。バンドの音だった。

俺は20年ぶりに、バンドの音を一人で出した。


ここからの1年

2025年5月、illusion を再起動した。

20年前と同じ名前で。今度は完全にソロプロジェクトとして。 作詞、作曲、録音、編集、配信、全部一人でやる。 このプロジェクトのことは、誰にも相談していない。

ただし、完全に独りぼっちで作ってるかというと、実はそうじゃない。

20年前のバンドメンバーとは今も繋がってる。 音楽仲間と、たまにスタジオでセッションすることもある。 リーダーだった先輩には、曲作りで迷ったときに 構成を相談したり、雰囲気のヒントをもらったりする。

illusion という「プロジェクト」はソロ。 でも、illusion を作ってる「俺」は、 20年経っても繋がってる仲間がいる人間だ。

そこは、はっきり言っておきたい。

最初は週に1〜2曲のペースで作った。だんだんペースが上がって、1年で63曲になった。

最新作は2026年4月22日リリース。今この記事を書いている2日前に、また1曲増えた。1年経っても、ペースは落ちてない。


制作プロセス(全公開)

「AI で曲作るって、プロンプト入れるだけでしょ?」と思われがちだけど、実態はそんな単純じゃない。1曲作るのにいろんな工程がある。

1. 歌詞を作る

最初は ChatGPT と壁打ちして作っていた。今は Claude Code に草案を出させて、自分で手直ししてる。

AI は最初の60点を出してくれる。そこから80点に持っていくのが俺の仕事。

2. 自分の声を録音する

これが他の Suno ユーザーとちょっと違うところかもしれない。

俺は曲を作る前に、自分の声を録音する

その音声データを Suno に渡して、自分の声に合う曲調・歌詞を導き出す。元バンドのボーカルとして、自分の声で歌わせたい欲がある。

3. Suno の機能を使い分ける

Suno には複数の機能がある。

  • Persona 機能:声をモデル化して使い回す
  • Cover 機能:既存音源を別アレンジ
  • Audio Upload:参考音源として渡す
  • 生声学習:歌声を食わせて声質を反映

これらを、曲調に応じて単体で使ったり、組み合わせて使ったりする

たとえばロック系の曲は Persona 主体、バラードは Audio Upload で参考音源渡してから Persona、みたいな感じ。

正直、ここは1年やってきた経験で「これかな」って判断してる。完全な公式はない。試行錯誤の積み重ね。

各機能の詳細な使い方は、別記事で書く予定。

4. Audacity で仕上げる

Suno が出力したデータをそのまま配信するわけじゃない。

Audacity(無料の音声編集ソフト)に取り込んで、

  • 歪みを修正する
  • ノイズを除去する
  • 音量バランスを整える

ここで30分〜1時間。AI 任せじゃなくて、人間の手でちゃんと整える。

5. 配達中に聴く

これが俺のポイント。

夕夜に Uber バイク配達してる時、ヘルメットの中で自分の曲を流す。

「人生のリアルな現場」で聴いて、違和感ないか確認する。スタジオで聴くのと、配達中に聴くのは別物。配達のリアルに耐える曲じゃないと、自分の生活と地続きにならない。

ここで「うーん」となったら、戻して修正する。

6. SoundOn にアップロードする

ここまできたら、配信代行サービスの SoundOn に楽曲、ジャケット画像、歌詞、メタデータを登録してアップロード。

数日〜1週間でレビューが通って、Spotify、Apple Music、YouTube Music、Amazon Music、Deezer、Pandora… 26のストリーミングサービスに自動展開される。

これで、世界中のどこからでも俺の曲が聴ける状態になる。

…理論的には。


1年やった結果、再生数 TOP10

ここからが本題。

1年やって、合計再生回数は約4,000回ちょっと。その内訳がこれ

順位曲名再生数
1HANABI618
2奇跡318
3サボっていい日262
4光の射す方へ244
5忘れたくても忘れられない206
6不死鳥202
7応答率188
8奪っちまえ171
9復活の兆し125
10後悔118

…1位の HANABI、618 再生。

「1曲が618再生」じゃない。1年配信して累計618再生


HANABI が1位の理由(推測)

正直に言うと、HANABI が1位なの、ミスチル被りだと思ってる

Mr.Children に同名の名曲があるじゃん。「HANABI」で検索した人が、誤ってうちの曲を再生してる説。

曲自体は気に入ってる。配達員要素も少し入ってて、自分の中ではけっこう自信ある一曲。でも、再生数の618がすべて「曲を気に入って聴いてくれた人」じゃないことは、自分が一番分かってる。

タイトルって大事だな、と1年やって痛感した教訓。


ちなみに、自分の中での1位は別にある

数字の TOP10 と、自分の中の TOP10 は違う。

俺が1年で一番気に入っている曲は、「忘れたくても忘れられない」。再生数では5位。

タイトルから察してくれていい。バラード系。歌詞も自分で何度も推敲した。

数字より、自分が満足できる曲が作れたことが、たぶん一番大事。


同名アーティスト問題、これから始める人へ

これ、SunoAI で配信を考えている人に伝えたい。

俺は illusion という名前で配信してる。これ、名前として一般的すぎた。

SoundOn 経由で各プラットフォームに展開されると、同じ名前の他のアーティストと区別がつかなくなる。

YouTube Music の俺のアーティストページには、海外の Illusion さんとか、Shuddho という曲(ベンガル語?)が混ざって表示される。再生数も他人の曲が混ざって計上されてるかもしれない。

SoundOn の登録時、アーティスト名はもっとユニークにすべきだった

これから始める人は、ググって被ってないか確認してから決めることをおすすめする。


1年で500円という現実

合計再生数 4,000回ちょっとで、収益は約500円。

業界相場で1再生 0.3円前後だから、計算は合ってる。

「AIで曲作って配信すれば月10万」みたいな話、ネットでよく見る。実際にやった俺の答え:そんな簡単じゃない。

配信したからって、誰かが見つけてくれるわけじゃない。Spotify のおすすめに乗るとか、TikTok でバズるとか、そういう「外的な何か」が起きないと、再生数は伸びない。

配信は、収益化の入り口にすぎない。本番はその先のプロモーション。


それでも続ける理由

500円は少ない。1年やってこれかと思う気持ちもある。

でも、俺はやめない。

理由は2つある。

ひとつ目。作ること自体が楽しい

20年ぶりに自分の曲が世の中に並ぶ感覚、Spotify の検索画面に「illusion」って打ったら自分の曲が出てくる感覚、これはお金で買えない。500円 は、その対価としてはむしろ十分すぎるくらい。

ふたつ目。この続きがある

実は、SoundOn 経由の配信とは別に、YouTube で 「Uber配達員の叫び」 というコンセプトチャンネルもやってる。配達員のリアルをロックで叫ぶ、という別軸の運用。

そっちの戦略は、また別の記事で書く。


まとめ

  • 20年ぶりに illusion を再起動した
  • 1年で63曲、26プラットフォームに配信
  • 合計再生4,000回、収益500円
  • HANABI が1位、たぶんミスチル誤検索
  • 自分の中の1位は「忘れたくても忘れられない」
  • 同名アーティスト問題は事前に確認すべし
  • 配信は始まりにすぎない、本番はプロモーション

今夜も、配達の合間に1曲作る。


この記事はブログ illusion-yuki.com の最初の本格記事。次は YouTube「Uber配達員の叫び」チャンネルの話を書きます。

illusion の楽曲は Spotify / Apple Music / YouTube Music ほか26プラットフォームで配信中。